「スペインへ行って、自分の目で確かめたい。」
気持ちは、すっかり決まっていました。

でも、そのときの私には、すぐにスペインへ行くことができない理由がありました。
当時、私は乳がんの抗がん剤治療中でした。

体力は、ほぼゼロ。
駅の階段を上るだけでも息が切れる。
友人と一緒に歩いても、同じスピードではついていけず、私は後ろからノロノロ。

そんな状態です。
スペイン巡礼なんて、とんでもない話でした。

だから決めました。
行くのは、2年後。
それまでは準備期間にしよう。

そして、この話をアニマルコミュニケーションの先生にしました。
話していくうちに、
「じゃあ、私も行く」
ということで、先生も一緒に。

こうして、まだ歩けもしない私のスペイン巡礼計画が始まりました。

そして一冊の本と出会いました。
準備期間中、先生から薦められたのが、シャーリー・マクレーンの『カミーノ』という本でした。
彼女がスペイン巡礼路を歩きながら、さまざまな過去世のイメージを体験していく物語です。
読んでみると、とても興味深い。
もちろん私は、シャーリー・マクレーンのように、本一冊になるほど壮大な何かが起こるとは思っていません。

それでも「この巡礼で、何か一つでも自分なりの気づきや学びがあったらいいな。」
そんな気持ちはありました。

また、準備期間中にトレーニングも兼ねて熊野古道を歩きました。
熊野古道とスペイン巡礼の道は姉妹道になっていて、両方とも巡礼条件を達成すれば
「二つの道の巡礼者」として登録され、達成記念ピンバッジと巡礼証明書がもらえます。

熊野古道はスペイン巡礼の道よりも短いですが、がっつり登山なので、なかなかハード。


週末を使い、2回に分けて中辺路を歩いて、熊野古道はコンプリート。

そして、あの日から2年。
とうとう、その時が来ました。

2026年9月15日。
私はスペインへ向けて出発しました。

あの誘導瞑想で見た景色は、本当にそこにあるのか。
自分の足で、サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指します。

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次回
「30時間かけて、巡礼のスタート地点へ。」
まずは、スペイン北西部の町Sarriaへ。
……歩き始める前から、すでに長旅でした。